条件に群がる女性たち
晩婚化がささやかれる中、結婚適齢期はとっくの昔に過ぎ去ったはずの私の同級生達が、何故か今さら「婚活」をはじめています。
理由は人それぞれ。老後の不安を口にする人もいれば親からのプレッシャーに負けた形の人もいます。彼らの話を聞いてみるとそれはそれなりに悩ましく、夜な夜な相談に乗る日々です。
私の同級生という事もあり、ある程度財力のある年齢です。大抵の人は大枚をはたいて結婚相談所に登録をしています。自由恋愛市場がアフリカの広大なサバンナなら、彼らを取り囲む環境は檻に囲まれたサファリパークといったところでしょうか。
相談所に登録している時点でお互いに結婚の意思はある訳で、おまけにある程度のスペックも事前にわかるのが安心材料らしく、会員数が多ければなんとなく自由恋愛している気分に浸れるのもポイントらしいです。
しかし悲しいかな、そういった相談所に登録する男性は、私の周囲を見渡してみても概ねのところ草食系。それは疲れきったインパラを、メスライオンのいるゾーンへほうり込むようなものです。彼らの持つ「高学歴」とか「高収入」といったスペックに引き寄せられてくる女性会員に弄ばれ、疲弊しきってしまっている友人達が大多数です。
友人の一人はプロポーズをした途端に相手の女性の態度が豹変して、「結婚のルール」という誓約書に捺印を求められたそうです。
もう一人は結婚寸前まで行っておきながら、彼女の思い描いたプロポーズが出来なかった事が災いし、見事破談となりました。
結果、更に疲れてしまったおじさんインパラ達は、再度サファリパークの戸をノックする事となるのです。
結婚に何を求めるのかは人それぞれ違うとは思いますが、やはり安心だったり安らぎだったり癒しだったりするのだと思います。
女性に「働いて生きて自立する」という選択肢が増えてしまった現代では、結婚を単なる安定として定義するのは難しいのかもしれません。増加する離婚率もこの事実を裏付けしていると思います。
お互いが好きなように生きて、困ったときだけ頼れるのが理想なのかもしれませんが、そうはいかないのが人間関係です。
哀れなインパラ君達に素敵な伴侶が見つかる事を祈っています。