運命の出会い
そんなある日、いつものように友人からメールで合コンの招集がありました。お相手は大手金融機関の地方支店に勤務している同僚たちとのことでした。
私たちのメンツはいつもの通り、学生時代の女子4人でした。期待半分、いつもと同じパターンだろうなという気持ち半分で都内の隠れ家的飲み屋さんへ出かけました。
現地に着くと、会社帰りなので男性陣は全員スーツ姿でした。どことなくいつも遭遇するような男性たちとは違い、同年代の割には静かで落ち着いた印象をうけました。こんなことを言う私ですが、周りからは若干外見が派手目なので紹介してもらおうと思っていた男性から事前にタイプじゃないと言われることも多いんです。根は真面目なのですが外見ばかりは仕方ありません。これもまじめな男性を遠ざけてしまう原因の一つなのかもしれませんが…。
その日、私の隣に座った男性はたまたま私と同業者で、偶然同じ年齢で誕生日が一日違いであることが会話をしていたらわかりました。これは2人にとって大きな話のネタになり、その日はほとんど彼としか会話をしないくらいの会になりました。背が高く、とてもおとなしそうな地味な男性で、女性には積極的には見えず「合コン」自体滅多に来ないような雰囲気を醸し出している人でした。本人に聞いてみても、今日は幹事の友人に半ば強引に連れてこられたということでした。そんな彼でしたが、私は今までの合コンで出会った人たちのなかでもなんだか変な軽さがなく、じっくりまずは友達から始められる関係になれそう!と直感が働き、自分でも珍しいことなのですが自ら連絡先を聞いて次回食事を改めてする約束を取り付けました。
いつもの慣れたお決まりの合コンはそれほどテンションが上がらないものなのですが、この日はこの地味で奥手な雰囲気の彼に出会えたことが嬉しくて、自宅に戻ってもいつまでも色々と考えてなかなか眠れませんでした。
当日の夜、早速メールを打ってみました。30分くらいしてからでしょうか、彼から今日の話と次回会えるのを楽しみにしているという内容のさっぱりとしたメールが届きました。私もあまりガツガツしているところを感づかれたくなかったので、あまり絵文字も使わずに精いっぱい我慢して自分を抑えながら携帯を操作していました。