オタクだらけの婚活パーティー
友達の一言がきっかけで、「婚活、始めるぞ!」
と意気込んだのは良いものの…。
3次元の男性と縁の無い生活を送っていた私にとっては、未知なる世界でした。
とりあえず、出来ることから…と思い、
ネットで「婚活 初心者」と検索する日々を過ごしていました。
進展があったのは、オタク友達のAちゃんと数週間ぶりに遊んだ時の事です。
「この前、婚活っていってたけど、いい所あった?」
「ふむふむ、意外と乗り気ではないか、あのね・・・」
と言って教えてくれたのは「オタク向き婚活パーティー」です。
私達は、次の項目を基準に選ぶことにしました。
■婚活パーティーを選んだ基準
・定期的に開催している
・会社が運営している
・価格設定が安い
結果、某Iというパーティーを選びました。
参加者は男女25人ほど、友達割というものがあって、二人で500円です。
フードはないようでしたが、フリードリンクがついてくるみたいでした。
参加を決めるまでにはかなりの勇気を要しましたし、
不安ももちろんありました。
男性はテレビや漫画にでてくるような、いわゆるアキバ系なのではないか・・・。
外見は気にしないと言っていますが、やはりそれなりの清潔感は欲しいです。
「萌え〜〜」とデカデカ書かれたTシャツにボサボサ頭、バンダナを巻いて、
でっかいリュックを背負った男性ばかりだったらどうしよう…。
そんな話を友達にしたところ、
「気に入る人が居なければ無理に連絡先を交換する必要はないしね。」
と、恋愛のイロハも分からない私に優しく教えてくれ、
「大丈夫、変な人がいたら私が守るもの…」と心強いお言葉を受け、
「よし、やってみよう!」という気持ちになれたのです。
しかし、不安を完全に拭い去ることは出来ず、
しばらくの間、私の頭の中は変な妄想でいっぱいになりました。
揚句の果てには、愛するキャラのコスプレをしたアキバ系の子豚さんから
プロポーズされ、更に熱烈キッスをお見舞いされる夢を
パーティの前日に見てしまいました。
そんなこんなで、とうとうパーティ当日を迎えました。
私達は2時間ほど前に待ち合わせをし、軽く昼食をとり、いざ合戦!
期待と緊張を胸に、戦場へと歩を進めました。
会場は新宿の小さなカフェを貸しきっているようで少し分かりにくく、
地図とにらめっこをしながら何とか開始10分前にたどり着くことが出来ました。
私達は受付で参加料を支払い、プロフィールカードをもらい、席に着きました。
席は完全に自由だったので、まだ男性が座っていないテーブルに
二人並んで座りました。
会場は、既に15人ほどが座っていて、なんともいえぬ空気感でした。
まるで、入学して初めての授業が始まる前のような、
緊張と気まずさの混じった硬い雰囲気で、
少しドキドキ感が増してしまいました。
さっと見渡して思ったことは、オタクっぽさを感じさせない、
さわやかで清潔感のある普通の男女ばかりということです。
中にはかなりのイケメン・美女もちらほら。
私達が妄想していたことが恥ずかしくなるくらいで、安心したとともに、
自分を相手にしてくれる人はいるのかという別の不安も出てきてしまいました。
果たして素敵な出会いは見つけられるのか、
初めての婚活パーティの開幕です。